カテゴリー「経済・政治・国際」の10件の記事

2007.08.16

8.15に思う- 発砲命令Schiessbefehlの発見

今年もまた8.15が巡ってきました。
そういうわけで、今年もまた結局ドイツで8.15を迎えてしまったわけで、折角なので、ドイツの時事ネタなどをからめて、つらつら考えてみる。

で、話は飛びますが、8月13日というのは、かつてドイツ分断の象徴であった「壁」が出来た日だそうです。
Wikipedia.deによれば、1961年8月12日から13日にかけての深夜、西ベルリン周辺の国境を全て封鎖、西ドイツと西ベルリンを結ぶ列車は東ドイツ領内では停車することなく運行を開始することになったそうです。この国境を越えようとして、多くの人たちが逮捕され、あるいはまた死に至ることになります。

国境を越えようとして死に至った「壁の犠牲者」の数は、現時点で少なくとも125人は居たのではないか、とされているものの、どこまでを「壁の犠牲者」として含めるかについて様々な意見があり、またさらに新たな資料の発見などもあって、これについては、まだまだ調査と検証が必要であるようです。

そういうわけで、ドイツにおいて8.13は戦争の傷跡としての分断の象徴である「壁建設記念日」なのです。

僕も以前、BerlinとMuenchenを結ぶ高速道路A9をNuernbergからLeipzigの方へ向かって北上していたとき、バイエルンBayernからテューリンゲンThüringenに入るところの谷の橋に「Brücke der deutschen Einheit」=「ドイツ統一の橋」という看板がついているのを見て、秘かに感慨にふけったことがありました。

この「壁建設の日」を前にした8/11、Magdeburgにあるかつてのシュタージ(Stasi、Ministerium fuer Staatssicherheit国家保安省の通称)の支所で、越境者に対する「発砲命令」が発見されたというニュースが報道されました。(下記のリンクを参照・ドイツ語)

ZDFのニュース番組Heuteのサイト

ニュース専門局N24のサイト

ニュース週刊誌FOCUSのサイト

ニュース週刊誌SPIEGELのサイト

なおこの「命令書」をZDFのサイトから「現物」をPDFとしてダウンロードすることもできます。

その命令書には「女・子どもであっても躊躇してはならない」とあり、戦争の傷跡としての「壁」の持つ、冷酷さのリアリティに戦慄を憶えずにはいられませんでした。
現在、一体この命令書を誰が出したのか、そもそもこれは有効な命令書であったのか、などなど議論はまだまだ続いており、また他の地域でも同種の資料が発見されたりなど、今後さらに調査と議論が続くことになるようです。

いずれにしても、日本が8.15を迎える時、何よりも国家間の対立構造が生み出す冷酷さのリアリティを思い起こすことが、平和というものの意味を考える上で、何よりも大事なのではないかと思ったのでした。

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2007.02.18

田中宇の国際ニュース解説2/16号「北朝鮮6カ国合意と拉致問題」より

リンク: 北朝鮮6カ国合意と拉致問題.

田中宇の国際ニュース解説より。

「田中宇の国際ニュース解説」はフリージャーナリスト田中宇氏によって週1〜2回程度配信される国際情勢に関するメールマガジンです。
原則としてメディアで公開されている記事を元にしつつも、日本の既存のマスコミとは違った視点での情勢分析をしているところが面白くて、京都にいた頃からそれなりに愛読しています。
将来予想に関しては、結構勇み足的なことも多いですが、現況分析は独創的でなかなか面白いです。

今回の記事も、(少なくとも私がネットを通じて見る限りでは)日本の既存のマスコミが全く取り上げていない視点で大変面白いと思いました。

ドイツの海外宣教団体の東アジア関係の集会などに出席したとき等に僕も、東アジアにおける中国にプレゼンスの決定的な拡大と、それに伴うアメリカの緩慢な後退、中国との結びつきを強めようとするヨーロッパ、というような流れを感じていて、日本国内での理解との温度差について考えさえれていました。
そんなこともあって、上掲の記事は余計に興味深く感じられました。

特に田中氏の「拉致問題、北方領土、靖国問題、尖閣問題、竹島問題は、いずれも日本にとって対米従属を維持するための外交防波堤である」(上掲記事より)という指摘は、個人的には、日米関係と東アジア諸国間関係の双方から距離を取ることの出来るヨーロッパの視点から眺められるようになってみると、非常に合理的な分析だと思いました。

これに対してはもちろん異論も多かろうと思いますが、日本の政治家が外交カードとしてこれらの問題をどのくらい自覚的・戦略的に行っていたのかということはこの際おいておくとして、実際問題、結果として、そういう機能を果たしてきた側面があることは事実だろうと思います。

もっとも、田中氏がブッシュ政権を「隠れ多極主義」と断定するのは、ちょっと語弊があるのではないかとも思いました。
ただし、上掲とは別の記事でその主張の根拠として、先進国は既に経済発展が行き詰まりを見せ、投資価値が落ちてしまっているので、(これまで国際戦略上アメリカが抑え込んできた)開発途上国の経済的発展を解禁させ、投資価値を上げることを強く望む財界層が、現行の米政権に影響力を及ぼしている、という指摘は(印象論にすぎませんが)それなりに説得力があるようにも思いました。

いずれにしても、今年(あるいはちょっと長めのスパンで、この数年)は、中東情勢と連動する形で、東アジア各国においても大きな転換期を迎えることを示唆された記事でした。

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2006.12.18

NPD(ドイツ国民民主党)綱領から考える

調子にのってまた更新(つまり、本業がまたもや煮詰まっていると言うこと・笑)。

Ourplanet-TVというサイトでドイツ文学者・翻訳家の池田香代子氏が、現在の日本における教育基本法の改定のプロセスについて、戦前のナチスの手法との類似を指摘していました。
ちょっと前から私自身も気になって、(趣味で)調べていたのですが、そんなこんなの途中経過をちょっと公開。

まずは、以下の引用を伏せ字(**)をそのままに読んでみて頂きましょう。

<引用ここから>

11. 過去無き国民は未来を有しない

**はその未来のために、私たちの国民[民族]の継続性を中心に置いた、国民的な歴史像を必要とする。

私たちは、**の重荷としての一方的な罪責の割り当てによって、国家反逆罪[売国行為]への評価を高くすることと連合国の戦犯を称賛することによって、私たちの国家の道徳的な自己破壊に対して抵抗する。それゆえに私たちは**国民の名誉の保護を要求する。
 - **の不利益となる歴史歪曲の排斥。
 - 一方的な過去の精算の終結。私たち**人は犯罪者の国民ではない。
 - 私たちのかつての敵対者の[以下のような罪の]自白、[すわなち]目標を定められた民間人への爆撃、戦後における数百万人の**市民の殺害と追放、そして**人の戦争捕虜の殺害は、今日なお処罰されなければならない犯罪である[ということについてである]。
 - **の重荷として、国家的に指示され、政治的に司法によって監視された歴史像による研究と学説の自由を補充しないこと。

(中略)

13. 教育制度と文化は国民文化の一部である

表向きの「全ての人間の平等」の教条の基礎に基づき、私たちの学校・大学制度の無意味な改革を通して、今日の救いようのない状況へと変えられた。この社会変革的な改革の背後には、社会政治的に知恵を絞って考え出された改革計画を通して、等しい素質と等しい能力の人間を伴う新しい社会を人は創造することができるという、時代遅れの考えが存している。

この経験が示すように、また科学が説得的に証明したように、人間はその天分とその資質能力に関しては等しくない。この認識にも関わらず、集合主義的な学校と大学システムを組織し、あるいは温存している者は、子どもの行動障害から依存症ならびに青少年犯罪に至るまでの、全ての結果に対して責任を負う。

学問の拡がりの不足とエリートの不足は、この誤った政策のさらなる指標である。育英事業と第2の教育の道筋が拡充されるべきである。

私たち国民民主党は、生命の多様性を、また自然と文化におけるその[生命の]出現を、それゆえに人間の自然な不平等性の承認と尊重を、公然と支持する。人間は法の前に、またその尊厳の不可侵性において、平等である。

<引用ここまで>

まぁ、逐語訳なのがまるわかりなので、翻訳だとすぐわかってしまうわけですが、あくまでも私の個人的な印象としては、内容的には昨今の日本の保守政治家とか、いわゆる「ネット右翼」と呼ばれる人たちの発言と大差ないようにも思います。

実はこれは、ドイツ国民民主党(Nationaldemokratische Partei Deutschlands)という極右政党の綱領の一部の抜粋なのです(翻訳は引用者による。[]は引用者による補足)。
したがって**の伏せ字のところには本来「ドイツ」が入ることになります。
(なお、こちらに全文の日本語訳があります(翻訳者・松田正雄氏)。)

2002年バイエルン州作成の民主主義保護のためのリーフレット(PDF)によれば、「極右」というのは国粋主義的(nationaistisch)で、違憲的(verfassungfeindlich)で、人種[民族]差別的(rassistisch)で、民主主義の基礎を拒否する(die Grundlagen der Demokratie ablehnen )集団を意味し、NPDは現代の極右を代表する集団の一つです。現在はドイツの連邦憲法擁護庁(Bundesamt fuer Verfassungsschutz 違憲行為を監視する常設官庁)の監視下に置かれています。

そしてまた、その政治的見解における言語的な用法が、NSDAP(Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei、国民社会主義ドイツ労働者党)いわゆるナチスを彷彿とさせることでもよく知られています。

要するに、いわゆるネオナチってやつですね(厳密に言うと分類上は全く一緒ではないのですが)。

連邦憲法擁護庁の2005年年次報告によれば、極右と目される人たちは約39,000人と概算されているそうです。ドイツの連邦統計局の資料によると2005年末の時点のドイツの人口が82,438,000人だそうですから、0.04%ということになります。
まぁこの数を多いと見るか、少ないとみるかは、判断が分かれるところですが、ざっと見たところ日本では同様の統計を見つけられないので、残念ながら比較はできません・・・。

とりあえず、バイエルンの田舎の村に住む私自身の個人的な感想としては、極右(あるいはネオナチ)は一部の都市と地域に集中しているだけで、ドイツ全体としては圧倒的大部分の人たちはむしろ、極右(あるいはネオナチ)は認められない、と極めて強固に認識しており、極右的言動を忌避していると言って良いと思います。

しかし、日本で上記の綱領と同様の趣旨の発言をする人たちは、それがいわゆる「ネオナチ」とおんなじだってことを理解しているのだろうか・・・。

ひょっとしてもしも、知っててやってるんだったら・・・怖ろしいことです・・・。

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2006.12.16

日本で祖国への愛が授業の主題に-Yahoo! ニュース/Liebe zum Vaterland wird Unterrichtsthema in Japan - Yahoo! Nachrichten

何だか、簡単に強行採決されてしまったようですが・・・。
内容的には先日紹介した記事とかなり重なっていますが、改めて報道されていたので、こちらも一応やはり紹介。

リンク: Liebe zum Vaterland wird Unterrichtsthema in Japan - Yahoo! Nachrichten.

<以下、翻訳は引用者による。[]は引用者による補足。>
日本で祖国への愛が授業のテーマに
2006年12月15日(金)10:59

東京(AP) 将来日本の学校では祖国愛が教えられる。国会は金曜、国家の誇り[Nationalstolz]の強化、公共心、そして愛国心を授業で伝えることを学校に求める法律を最終的に採択した。教育基本法の改正は安倍晋三総理の保守的な政府計画の中核である。

彼[安倍総理]の[属する]自民党と少数連立パートナーは、これによって数十年にわたるタブー[すなわち]戦後に成立した現行の規定、に触れた。批評家はこの改革に対して、子ども達が学校において天皇と国家に対して犠牲的献身[Opferbereitschaft]が奨励された、第2次世界大戦の時代の日本の教育システムとの類似点を非難している。

目下のところ、例えば東京などのいくつかの地域の官庁は、日本の国旗に敬意を表すこと、あるいは、学校行事に際して天皇への敬意を表す国歌[Hymn]を歌うことを拒否する教師と生徒に対する態度を強化している。3ヶ月足らず前から任職している安倍内閣は、平和主義的な戦後憲法の修正を達成しようと務めている。国会は既に金曜に、防衛庁の、必要条件を全て満たした省への変更を議決した。

加えて、野党は与党に対する不信任動議に失敗した。与党が公的な聴取会を筋書き立てしていたことが周知のものとなった後、四党が同[不信任]動議を提出した。民主党(DPJ)のウェブサイトによれば、麻生太郎外相が核兵器配備についての議論を提起したため、麻生外相にも同様に不信任が表明されることになった。

しかし、安倍[総理の属する]自民党(LDP)は国会で多数派を占めているため、この動議は成功の見込みが無かった。過日、教育法についての公的なディスカッションに対する問題提起者として政府官僚を派遣していたことが周知のものとなった後、安倍は批判を受けていた。

<引用ここまで>

う〜ん、どうですか、淡々と書いてはありますが、それだけにかなり手厳しいのではと思うのは僕だけですか、そうですか。
受け取る側の理解の前提の違いも勿論あるわけですが、多分ドイツでは、基本的にこういう法改正と議決プロセスは信じられない話でしょうね。
特に東西再統一以降のドイツで、ネオナチの台頭について報じられるようになって久しいですが、多くの(圧倒的大多数の)ドイツ人にとって、「国家の誇り」(=Nationalstolz)を訴えることはナチと同義であり(だからこそネオナチは敢えてそれを主張しているわけで)、それはドイツという国が今後もヨーロッパ、そして世界の中に存在していく以上、絶対に許されないことである、という認識が共有されていると断言して良いと思います。

日本に入ってくる報道だけだと、まるでドイツではもう外国人排斥主義者だらけみたいに思えるかも知れないですが(笑)、実際に生活してみると、そんなのは、本当にごく一部のことであって、全体としては全くそんなことないですね。
むしろ外国人差別をタブー視する姿勢は、ドイツではかなり徹底されていて、日本の方がはるかにあからさまな差別的言動が容認されてしまっていると言って良いと思います。
逆に、これだけネオナチの台頭が叫ばれているのは、ドイツのマスコミが、ネオナチ的な主張に対して極めて敏感に反応し警鐘を鳴らしていることの表れであるといっても良いと思います。

ドイツ社会も、もちろん 少子高齢化と年金制度、格差の拡大などの深刻な問題を抱えているわけで、その意味では日本よりも厳しい状況にあるわけですが、日本とドイツ、この差は一体どこから来てるんでしょうね・・・。

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2006.12.11

転載:「【アピール】公述人・参考人として教育基本法案の徹底審議を求めます」への市民緊急賛同署名

教育基本法の改定に関して、西原博史・廣田照幸・藤田秀典の各氏が、以下の市民緊急賛同署名を呼びかけています。
第1次集約日は12月13日(水)の午前10時(日本時間)です。

ご賛同いただけるようでしたら 署名サイトでオンライン署名して頂き、またお知り合いへお伝え頂けましたら幸いです。

<以下、「教育基本法「改正」情報センター」のホームページより転載>

政府法案の今国会における採決を阻止し、法案の徹底審議を実現するために
「【アピール】公述人・参考人として教育基本法案の徹底審議を求めます」への市民緊急賛同署名を始めます

西原博史(早稲田大学教授)
廣田照幸(日本大学教授)
藤田英典(国際基督教大学教授)


私たちは、12月6日に公表した「【アピール】公述人・参考人として教育基本法案の徹底審議を求めます」の呼びかけ人です。

私たちは、多くの問題を抱えた政府法案の今国会での採決を阻止し、政府法案の徹底審議を実現するために、この【アピール】への市民の方々からの賛同署名を広く募り、国会に提出することを決意いたしました。

多くの市民の方々は、「何かおかしい」と思いながら、自分の声を国会に伝えることができず、もどかしさや、歯がゆさを感じていると思います。私たちは、この【アピール】を、多くの市民の方々が持っているはずのこのような思いを国会に届けるための媒介にしたいと考えました。

今こそ、職業の壁を越えた市民と研究者との間の広い共同を実現し、「法案を採決するのではなく、その徹底審議を!」という広範な声を国会に強力に伝えるべきだと思っています。


そこで、教育基本法「改正」情報センターの協力を得て、電子署名により、私たちが呼びかけ人となった【アピール】への市民の賛同署名を集め、国会にそれを提出することとしました。

情報センターのHP
からアクセスして、所定のフォームに入力すれば、署名をすることができます。署名の第1次集約を13日(水)午前10時とします。同日午後に参議院教基法特別委員会委員に手渡しする予定です。


電子署名の期間は限定されています。至急署名をしていただき、できるだけ多くの方にこの緊急署名をお知らせいただけるようお願い申し上げます。可能な限り多くの市民の方々の声を、私たちの【アピール】とともに国会に届け、今国会における政府法案の採決を阻止したいと考えています。

皆様のご協力を心からお願い申し上げます。

<転載ここまで>

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日本の国会が、学校に対する愛国心法を採決:Japans Parlament beschliesst Patriotismus-Gesetz fuer Schulen

時事ネタとしては鮮度が落ちましたが、教育基本法与党案が国会会期切れ直前での参院強行採決の可能性もある今、このタイミングでもそれなりに意味があると思い、一応紹介。

11/16のヤフー・ドイツのニュース(AFP)で、日本での教育基本法改正案の衆院通過について報道されていました。

リンク: Japans Parlament beschliesst Patriotismus-Gesetz fuer Schulen - Yahoo! Nachrichten.

<以下、翻訳&引用>

日本の国会が学校に対する愛国心法を採決

2006年11月16日 木曜日 11:29

AFP発

日本における、右派の国会多数派が、学校における愛国心の促進のための改正案を可決した。木曜、東京の衆議院で左よりの野党は採決をボイコットした。国民の間で盛んに論争の行われているこの法案は、生徒に「伝統と文化の尊重と国家と祖国への愛」を伝えることを教師に要請している。教員労働組合は法改正に抵抗しており、政府の帝国主義時代への逆行を非難している。

アンケートによると、日本の教員の60%以上が政府の主導権[イニシアティヴ]を認めていない。それ[アンケート]によると、約80%が、安倍晋三新総理は拡大する貧富の格差といった諸問題に十分に取り組んでいない、という意見である。
国会採決の少し前に安倍は内閣に対して、「教育の再生」が最も重要なテーマである、と語った。この法案は12月15日の前に参議院によって可決されることになっている。そこ[参議院]もまた、保守派が多数派を占めている。

<以上、翻訳&引用ここまで>

また、11月17日付けのSueddeutsche Zeitung(ミュンヘンに本社を置く、ドイツ世論形成に対して比較的大きな影響力を持つ日刊紙)ではAP発で次のように報じられていました。

<引用ここから><17.11.2006 SZ>

Patriotismus wird Pflichtfach in Japan

Tokio- In japanischen Schulen soll kuenftig Vaterlandsliebe gelehrt werden. Knapp zwei Monate nach der Wahl des neuen Ministerpraesidenten Shinzo Abe verabschiedete das Unterhaus am Donnerstag einen entsprechenden Gesetzentwurf, dessen Annahme angesichts der klaren Mehrheitsverhaeltnisse auch in der zweiten Parlamentskammer als sicher gilt. Die Aenderung der Erziehungsgesetze mit dem Ziel, den Patriotismus der Jugend zu staerken, ist Kernstueck des konservativen Regierungsprogramms Abes. Seine Liberaldemokraten und ihr kleiner Koalitionspartner ruehren damit an einem jahrzehntelang vorhandenen Tabu; die geltenden Regelungen stammen aus der Nachkriegszeit. Die Opposition boykottierte die Abstimmung am Donnerstag. Das Gesetz soll auch die Rolle der Eltern staerken und die Zusammenarbeit zwischen Familien und Schulen verbessern.
AP

<引用ここまで/以下翻訳、[]内は引用・翻訳者の補足>

日本で愛国心が必須科目になる

東京 - 日本の学校では将来、祖国愛が教えられることになる。安倍晋三新総理の選出のおよそ2ヶ月後、衆議院は木曜、当該法案を議決した。この法案の承認は、2番目の議会[参議院]における圧倒的な多数の状況に鑑みて、確実と見なされている。教育基本法の、青少年の愛国心を強化する目的をもったこの改定は、安倍の保守的な政府計画の中核である。これによって、安倍の[属する]自民党ならびに少数連立パートナーは、数十年間に渡るタブーを揺り動かしている。[というのは]現行の諸規定は戦後に作られている[からである]。野党は木曜、採決を拒否した。この法律はまた、両親の役割を強化し、家庭と学校の間の協力を改善することになる。

AP発

<翻訳ここまで>

以上、逐語訳調ですんません・・・。

まぁ結構淡々と書いてはありますが、淡々と書いてあるだけにかえって批判的な印象がにじみ出ているように、個人的には感じました。

今回の教育基本法の改定は、戦後の日本の民主主義の転換点と言っても過言ではないと思います。要するにこの改定は、日本には立憲民主主義はもう不必要、といっているようなものなのですが、あまり日本国内では一般的には意識されていないようなのはなんでなんだろう?改定案が実施されると、我が家なんか100%完全に矯正を要する家庭になっちゃいますね。個人的にはものすごい危機感を感じています。

TBSラジオのポッドキャスト配信の12/8分で、社会学者の宮台真司が、この改定の持つ本質について解説しています。評価は分かれると思いますが、私自身は中々面白いと思いました。

TBSラジオ あべこうじのポッドキャスト番長

<個人的関心としてこの項続く>

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2006.08.14

不発弾でレバノンの子ども死亡- SPIEGEL ONLINE より

リンク: Blindgaenger: Libanesisches Kind getoetet - Politik - SPIEGEL ONLINE - Nachrichten.

ようやくイスラエルとヒスボラの間の戦闘停止(ドイツ語ではWaffenruhe、もしくはWaffenstillstandと言うそうです)が受け入れられ、一応戦闘そのものは中止したようです。
しかし、南部レバノンへと続々と帰還する避難民には地雷と不発弾の脅威がまだまだ残っている、とこの記事は伝えています。

これは、たとえどれほど立派な「国内治安を守る」という大義名分があったとしても、結局の所、軍事侵攻は、市民生活に深い傷跡を、将来に遺恨を、国際社会に不信を残すだけで、全く全然これぽっちも何の解決にもならないということの典型的な例だと思います。
8.15を前に、もって他山の石にして欲しいものです・・・。

(以下は私的な翻訳のため引用はご遠慮ください)

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2006年8月14日
不発弾

レバノンの子どもが殺害される

爆撃が中止された以上、危険は市民を押しとどめておくことはもはやできない。軍事紛争の遺産である不発弾と地雷はまだ残存している。中東での戦闘停止の始まりから数時間後、レバノンでは一人の子どもがそうした遺物によって死亡した。

ベイルート発 - レバノンでは不発弾の爆発が一人の子どもの命の代償を出し、さらに15人が負傷した。イスラエルによる空爆の34日後に南レバノンの自宅に帰還した避難民たちがこの被害に遭った、とレバノン治安部隊が伝えた。

内務大臣はベイルートで声明を発表。その中で、全ての避難民に対してすぐには帰還しないように警告し、残された家屋はまずレバノン軍によって不発弾の探索が行われなければならない、とした。

(ler/AP)
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2006.08.03

レバノン侵攻

時事ネタから。

SPIEGEL ONLINEの中東関係記事一覧を参照

このところ、連日イスラエルのレバノン侵攻のニュースがものすごい量で報道されています。
多分ドイツだけじゃなくて、ヨーロッパ全体でそうだと思います。テレビで見る限り、CNNでもすごい報道量ですから、アメリカでもそうなのでしょう。
はっきり言って事態はかなり深刻です。というか、湾岸戦争・イラク戦争を超える状況に発展する危険性も小さくないと思います。もはや中東だけの問題ではなくなりつつあると言っても良いと思います。
(メディア経由の情報しかないので、全部「・・・と思います」としか言えないのが哀しいところですが・・・。)

ところで、今の私の日本に関するニュースの情報源はネット経由だけなので、実際のところと温度差が結構あるとは思うのですが、なんだか日本のメディアの、レバノン侵攻関係の取り上げ方は、ドイツの10分の1ぐらいの様な気がするのですが・・・。
少なくとも、僕が住んでる様な田舎の地方紙でも、このところ1面の記事はレバノン関連ばかりですが、日本の新聞ではどうなんでしょう?

ちなみにドイツのプロテスタント教会の協議会であるEKD(Evangelische Kirche in Deutschland)のOnline版ニュースレターの最新号(7/26発行第213号)のトップもレバノン侵攻に関連した記事に成っています。
またこの件については日本では日本キリスト教協議会(NCC-J)が緊急声明を出しています。

いや、もちろん地理的な距離の問題もあるので、ヨーロッパと東アジアで温度差があるのはまぁ当然と言えば当然なのですが、しかしたとえそれでもニュースバリューのバランスがおかしくないかい?
どこかの国が実害を受けたわけでもないロケット発射実験よりも、空爆で子どもを含めた市民が数十人も死んでる上に、さらに戦線を拡大することを明言している方が圧倒的に断然問題が緊急かつ深刻でないかい?と思うのですが。

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2005.09.20

ドイツの選挙の結果

Blog更新している暇があったら論文書かないといけないLEEでございます。

昨日9/18、ドイツ連邦議会(Bundestag)の総選挙がありました。選挙結果については、ここなどをご覧いただければよいかと思います。
しかし、保守陣営有利という前評判でしたが、最後の2週間のSPD(というかシュレーダー氏)の追い上げがすごかったらしく、フタを開けたら、過半数を得た党は一つもなく、上位2位のCDU/CSU(35.2%)とSPD(34.3%)との得票率の差1%未満、議席数にして3議席差という、まさに「僅差」という結果には、正直なところ驚きました。
ちなみに上記リンクでも見ることができますが、今回の選挙、東西ならぬ南北で、保革の境目がかなりはっきりと現れたようです。

戦後最悪と言われる失業率への対策が最大の焦点となっていましたが、結局どの政党もこれといった決め手に欠けていたことは事実だったと思うのですが、日本だったら、そういう場合の「迷い票」みたいなのは、大概「現政権=保守派」に流れるのが普通ですが、それが見事にばらけるというのが(そもそも現政権=左派だったし)、いかにも「個人主義文化」のドイツという気がしました。

しかし、民放テレビ局RTL実施のアンケートによると、回答の中で最も多い33%が大連合=Grosskoalition、つまり保革相乗り政権をのぞんでいるそうです(こちらをご覧ください)。ふ〜んそういうもんなのか・・・。

勢力均衡なだけに、「どの組み合わせになれば過半数をとれるか」というパズル的な要素すら感じます・・・。政権獲得に向けて、各党間で様々な思惑が飛び交っているようですが、さてどうなることでしょう・・・。

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2004.12.31

南アジアの津波災害

ドイツ語の練習のために、部屋にいるときは、地元のニュース専門のFM放送(バイエルン5という局)をよく聴いているのですが、突然「南アジアで巨大な洪水災害(Flutkatastrophe)が発生しました」というニュースが繰り返し流れ始めました。

ドイツ語力の無さが無きどころで、アジアで「洪水(Flut)」と聴いて、まず「台風」を思い起こしてしまいました。でも、時期的にちょっとおかしいし、被害地域がいくらなんでも広すぎるのはなんで?と思っていました。
そのうち、「地震(Erdbeben)の後で・・・」というのが聞こえたので、ひょっとして?と思っていたら、そのうちに「TSUNAMI」という言葉も使われ始めたため、「えー、津波!?」と理解&驚愕しました。

しかし「津波」という言葉をドイツのラジオ放送で聴くことになろうとは・・・。考えてみれば、ドイツには「津波」なんてないんでしょうね・・・。

南アジア(特にプーケット)には、クリスマス休暇を過ごすためのドイツからの観光客も多く、その後毎日のように続報が入ってきています。
留学生仲間の故郷はスマトラ北部だったので被害はなかったらしいですが、大変心配していました。

第一報の後すぐに、EKDの災害支援部門が緊急対応に乗り出したという報道がされていました。
早い・・・。

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