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2007.04.13

ドイツ・ミッテルフランケンのイースター Ostern in Mittelfranken, Deutschland

Frohe Ostern!
ちょっと遅くなりましたが、皆様イースターおめでとうございます。

ドイツのイースターについて紹介することも、私のドイツ滞在の重要な責務のうちと思いちょっとご紹介。
決して論文作成が煮詰まり続けているからではありません・・・。

さて、復活祭、イースターのことをドイツ語ではOsternと言います。
なお「Ostern」について、グリーティングカード(Glueckwunschkarte)の書き方などのガイドブックであるDuden, Briefe gut und richtig schreiben(デューデン刊「正しい良い手紙の書き方」)2006年版のp.558には次のように書かれています。

Ostern
1. 性:今日、一般にOsternは中性名詞単数として理解されている。[例]Hast du ein schoenes Ostern gehabt? しかしながら主として性別を示す語(冠詞)無しで用いられている。[例]Ostern ist laengst vorbei. 中性単数の形式以外に、他の形式が出現することもある。しかしながら、地域的に限定されている。固定化された決まり文句的な表現の場合には、一般に複数形が広まっている。[例]Froeliche Ostern! Weisse Ostern sind zu erwarten.
2. an / zu Ostern:an もしくは zu の使用は、地域によって異なっている。特に南ドイツでは an Ostern と言い、北ドイツでは zu Ostern が一般に使用されている。どちらの表現法も正しいものである。

この「どちらも正しい」という結論、規則にこだわるわりに、結局どっちでもいい、というあたりが、いかにもドイツ的レリヴァンツ(妥当性の基準)です(笑)。

北海道よりもさらに緯度の高いドイツにいると、復活祭が冬から春への変わり目の時期であることを、しみじみ感じさせられます。その意味で、Frohe Ostern!(イースターおめでとう!)の挨拶は、日常生活においては、宗教的な意味と言うよりも、春の訪れの喜びを分かち合う役割が圧倒的に大きいと言えるのでしょう(いやもちろん南半球だったらもちろん秋から冬なのですが)。

Cimg0192 なんでも早くから準備するドイツでは、すでに四旬節(QuadragesimaもしくはFastenzeit)からあちこち、復活祭用の庭飾りなどを飾っているところもぼちぼちあります。
そして、イースター用の庭飾りというと、やはり「卵」です。色とりどりの卵を庭木にぶらさげて飾っています。スーパーなどでも、この飾り用のプラスティックの卵が、四旬節にはたくさん売られています。



Cimg1021 子ども達が通うDiakonie設立の幼稚園では、園庭の木にたくさんの彩色した本物の卵が飾られました。

学校は、イースターをはさんだ前後1週間、計2週間がOsterferien(イースター休み)となります。
ちなみにBayernでは、四旬節のはじまる直前であるFasching(いわゆるカーニバルの時期)の時期も、「冬休み」と称して1週間の休みがあります。
(クリスマスから年末年始は、クリスマス休み( Weihnachten ferien )と
当たり前ですが、イースターに合わせて毎年休みの日程は移動します。
幼稚園は、そもそも来ても来なくても自由なのですが、一応いわゆる洗足木曜日から、イースター開け火曜日までが閉園期間となっています。

幼稚園では、休みに入る直前に、子ども達はOsterkoerbchen(イースター小籠)を作っていました。出来上がったカゴを廊下に並べた後、クラスで「Osterfruehstueck」(イースターの朝食)を食べて、また廊下に出てみると、廊下は藁がちらばっていて、カゴの中には色つきのゆで卵が入っていたそうです。
Cimg1025 子ども達によるとそれは「Osterhase」(イースターのうさぎ)がやって来て、卵を入れてくれたのだ、と先生が言っていたそうです。
写真は、そのOsterkoerbchenと卵。ウサギの人形は、ゆで卵がさめないようにするEierwaermerというもので、「先生が作ってくれたの?」と訊いたら、「ちがうの、これもOsterhaseがくれたの」だそうです。

Cimg0205 Osterhaseに代表されるように、Osterを象徴するキャラクターはまずはウサギで、クリスマスが終わったら、スーパーではウサギのチョコが大量に売り出されます。その他には(四旬節らしく?)ヒツジの形のスポンジケーキとかクッキーとかも時折みかけます。
写真は、ウサギの置物と、ウサギのチョコ。バックのロウソクは幼稚園のイースター礼拝でもらってきたもの。



Cimg1098 Cimg1102 またこの時期パン屋(Baeckerei)では、Osterbrotというものを売り出します。
Osterbrotがどんなものかは、地方によって異なるようですが、ここ北バイエルン・中部フランケンでは、丸くて比較的大きく(直径20cmぐらい)で、中にレーズンとオレンジピールがたくさん入っている、甘めのパンのことをそう呼びます。写真は近所のBaeckereiで買ってきたOsterbrot。なかなかおいしいです。

復活祭の一週間前、受難週の始まりとなるいわゆる「枝の主日」は、村の教会では意外とあっさりと、ほぼ通常通りの礼拝が行われました。その代わり(?)、礼拝と並行して行われる子どもの礼拝(Kindergottesdienst)の幼稚園児グループでは、子ども達がネコヤナギの枝をもらってきました。
ちなみに、ドイツでは、ネコヤナギの花序のところを指して、Weidenkaetzchen(柳のネコ)と言うそうです。

また、この教会では、木曜(Gründonnerstag)は昼に祈祷(小礼拝)、夜には、罪の告白と聖餐を重点を置いた(どうも南ドイツに特徴的らしい)「懺悔と聖餐礼拝」Beicht- und Abendmalsgottesdienstが行われました(ちなみに典礼色は「白」でした。へ〜。)。前半で、「懺悔と罪の赦しの宣言」があるわけですが、洗礼の際の問答に近いものが用いられており、後半の聖餐への関連と併せて、なかなかうまい構成になっています。

金曜(Karfreitag)には午前中には「受難日礼拝」(ほぼ通常の礼拝と同じ・子ども礼拝もあり)、午後2時半から「イエスの死の時の礼拝」(Gottesdienst zur Todesstunde)、この礼拝では聖壇の上にあるものが取り去られました。夕方にはティーネイジャーを対象とした青少年礼拝「FIRE」(Jugendgottesdienst"FIRE")が集会室で行われました。

そして土曜日(Karsamtstag)は昼の祈祷(小礼拝)のみ。

日曜、復活主日(Ostersonntag)は、早朝5時半から「Osternacht」(なぜか「イースターの夜」というらしい)と呼ばれる礼拝が行われます。2年前のブログにも書いたのですが、このOsternachtと呼ばれる礼拝は、それぞれの地域の独特の習慣が反映されるようです。ここ北バイエルン、中部フランケンでは、まだ薄暗いうちに、ほとんど真っ暗の状態の中で礼拝がスタート。はじめに壇上で子どもと大人とが問答のようなことをする(「どうして世界の最初に戻ったの?」とか子どもが訊いて、大人が応えるなど)。当然何にも見えないが、出席者は慣れているのか、あまり気にしていない。その後、聖壇(東向き)向かって右手(つまり北側)の扉から会堂の外に、ぞろぞろと全員が出る。やっぱり100人ちょっとぐらい来ているので、出るだけでそれなりに時間がかかるが、みんな慣れているのか気にしていない。外でたき火が焚かれて、そのまわりを出席者が取り囲む。牧師がリタジーを用いつつ、たき火の火からでっかいロウソク(Osterkerze、パスカキャンドル)に火をつける。その後教会の外側をぐるっとまわって南側の扉まで、行列になって進み、南側の扉から中へ。すでに中央ヨーロッパは3月末の日曜から夏時間に変わっているので、このあたりで既に外は明るくなっている。礼拝堂内も明るくなり、一気に復活祭モードへ。小一時間程度で一通り礼拝が終わり、やはり伝統らしいOsterfruehstueckが、集会室で行われます。
8時半からは、村内の教会墓地での復活礼拝(Auferstehungsfeier)、そしてその後には、いわゆる「主日礼拝」(この村では毎週朝9時半から)が行われます。
主日礼拝そのものは基本的に通常通りの聖餐礼拝でしたがが、賛美歌・奏楽などで復活祭らしさを醸し出しています。
礼拝後には、日本なら食事会(祝会)などがある場合が多いですが、ここドイツの田舎の村では、それぞれの家庭で食事会をすることが多いので、そういうのは全然無し。礼拝が終わって挨拶したら、あっと言う間に皆さん自宅へお戻りです。
さらに、ドイツではキリスト教の三大祝祭日(復活祭、聖霊降臨祭、降誕祭)は日・月の二日間が祝日扱いになっているため、(出席者がそれなりにあるような地域では)月曜日(Ostermontag)にも礼拝が行われる教会もあります。我が村Neuendettelsauもその一つでした。

さて、この村の牧師は、周辺の二つの村の礼拝堂での礼拝も担当しています。さすがに木〜月までの間にこれだけ礼拝が集中しているのを1人の牧師がやるわけではありません。専任の2人の牧師が交代で担当し、また周辺の村の礼拝は基本的に二週に一度になっています(早天礼拝はうちの村だけ。またイースター主日の礼拝の場合は他の二つの村は日曜と月曜に割り振られていました)。またその他にも、引退・現役を問わず牧師がごろごろいる村なので、必要に応じて、神学校の教員や、Missionswergのスタッフなどが交代で担当しています。また、ティーネイジャーや子どものための礼拝は、基本的にボランティアを中心に運営されています(青少年担当の専任スタッフが1人いるそうですが)。

この村にはその他に、カトリック教会、そしてディアコニーのチャペルがあります。ディアコニーのチャペルは、チャペルとはいっても普通の教会よりもむしろ大きいぐらいで、しかもそれなりに歴史のある(ほぼドイツのディアコニーの歴史と重なるぐらいで、先頃150周年を迎えた)ディアコニーなので、かなり典礼的です。(ドイツではディアコニー関連の施設の方が、典礼的な傾向が強い所が圧倒的に多いらしい。)
また四旬節の間は、日曜の礼拝に週替わりでゲスト説教者を呼んでその年のテーマ(ちなみにことしは"Visionen fuer die Kirche"「教会の幻/ヴィジョン」)に従った説教をしてもらい、礼拝後に説教者を交えて、感想を語り合ったりするのが恒例になっています。
そして木曜日には足も洗うし、Osternacht(こちらはなぜか土曜日の夜9時半から)では洗礼式はやるし、日曜の礼拝はなんと「ドイツ・ミサ(Deutsche Messe)」です。
こういう伝統主義と敬虔主義、そして啓蒙主義が、四旬節〜イースターという季節を中心に交錯しているというのは、文化人類学的に見ても大変興味深いです。

ちなみに私個人は今年、日曜の村の教会での主日礼拝以外では、木曜の夕方にやはり村の教会の礼拝に出席しました。120〜130人ぐらいの出席だったのではないでしょうか。さすがに年齢的には比較的年配の方がたが多かったのですが、今時のドイツで、クリスマスでも無いのにこれだけの人数が平日の夜の礼拝に出席しているのは、この村が教会を中心として形成されてきており、村民にMissionswerk(海外宣教局)や神学校、ディアコニーの関係者が多いという特殊な背景は無縁ではないでしょう。
しかし、多くの信徒の奉仕によってはじめて、これだけの行事が支えられているのもまた事実です。そして、だからこそ今時のドイツとしては珍しいぐらい、子どもから若者、若い家族、中高年までが数多く集う場として、教会が機能しているのでしょう。

朝5時半から村の教会の方のOsternachtには、妻と上の二人の子どもが出席(僕は家で一番下の子どもと寝ながら留守番)。出席した二人の子どもの目当てはもちろんOsterfruehstueck。復活祭はおいしい。これが子ども達の偽らざる感想のようです。まぁそんなに間違ってないか(笑)。

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コメント

 なんか、写真が雑だよ(*゚▽゚)ノ

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<ここからLEEのコメント>

いつもコメントありがとうございます。

雑って、ピントがあってないってことでしょうか。
なんか昨夏からCASIOのEXILMというのを使っているのですが、設定がいろいろありすぎて、どの場面でどのセッティングを使えばいいのか、今ひとつよくわからないんですよ。
オートにすると、やたらとフラッシュを焚きすぎて自然な感じで撮れなくて、晴れてるからと思ってシャッタースピード優先で撮ったら、思ったよりもピント深度が浅くなってしまって手前にしかピントが合ってなかったりとか(まぁそういう効果が合っている場面もあるわけですが)。

今後の参考までに、どの辺が雑に見えたかまたご指摘下さい。

投稿: おいら | 2007.04.15 00:12

 いやそういう写真技術の話じゃなくて、画像をクリックするとでかくなるんだけど、でかくなりすぎて、おいらの11インチノートじゃ、画像の一部分しか見えなくて、しかも、ウインドウのおおきさを調整できるような部分をつまむことさえもできないもんだから、もう、いたってどうしようもないという話です。
 すくりんしょっとを撮って、オイラサイトにアップしてみましょう(*゚▽゚)ノ

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<ここからLEEのコメント>

あー、そういうことですか。
多分それは、カメラを変えた結果として、画像がでかくなったんですね。
多分画像をBlogにアップロードする際の設定を変更すればよいのでしょうね。
どうなんすか。普通は640*480ぐらいですか。それとも800*600ぐらいですかね。

投稿: おいら | 2007.04.15 09:25

 800*600だとうちのノートではちとでかく感じるので、640*480くらいが丁度いいのではないでしょうか?
 でも、あれだね。
 昨今のベースはもう17インチだから、800くらいでいいのかなぁ。
 でもあれだね。
 ベースが17インチって、時代は変わるねぇ(笑)。
 むかし17インチのモニタを買ったら、そんなでかいのナニに使うんだ、的なことを言われたものだけど……(*゚▽゚)ノ


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<ここからLEEのコメント>

とりあえず、ちょっとだけ修正しました。
画像そのものの大きさは変わりませんが、新規ウィンドウが800*600の大きさで開いて、スクロールとウィンドウの大きさの変更ができるようにしました。
画像の大きさそのものについては、次回以降の記事の投稿分から、800*600に修正するようにしてみます。

投稿: おいら | 2007.04.15 23:16

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